事業(薬局)で得た利益は、自分たち(父と後妻)が好きにすればよい。
その代わり、事業で発生した負債(借金)も、自分たちで返済しろ。
借金だけこちらに押し付けようとするな。
祖父の代からの家にまで手を付けるな!
父の死と借金の事実を知った直後の私の直感的な主張は、この後もずっと続きます。
(補足:後妻は父の薬局の専従者だった)
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前回は、後妻の浪費癖と、相続不動産の実態について書きました。
ひそかな読者の方々から「毒を吐くだけでなく、勉強になる」と個人的に感想をいただいております。私も、1話に最低1つはお役立ち(役立つか?笑)情報を掲載するように心がけておりますので、引き続き、興味本位半分、お勉強半分でご覧くださいね!
今日は父の所有した車の話をしようと思います。
父は私の幼少の頃から車マニアで、若い頃は日産スカイライン党、晩年はサーブ、アストン、ミニなど外国車に転じたものの、車に関しては最後まで尖った気持ちを忘れなかったようです。その影響もあり、私も弟も、車マニアをしっかり受け継いでおります。
そんな父なので、相続財産にそれなりの自動車があってもおかしくないのだが、当初から何もない。自動車がまったく掲載されていない。
でも、銀行取引明細書では、最後まで自動車保険と思われる損保代金が毎月支払われていたので、車がないはずはない。
そこで、車の保有状況がどうなっていたのか調べるために、次の方法があります。
登録事項等証明書の入手
登録事項等証明書とは、車の登録内容が記載されている書面で、現時点の情報だけを掲載した書面と、初期登録から現在までの履歴すべてを掲載した書面の2種類があります。
これは、車のナンバーと車台番号さえ分かれば、陸運局で誰でも入手することができます。
(↓↓入手方法は下記を参照ください)
登録事項等証明書交付請求の手続き|国土交通省 中部運輸局 福井運輸支局
さて、この車のナンバーと車台番号を、どうやって入手しようか。
まず考えられるのは、損保会社。
自動車保険をかけるのに車検証情報が必要だから、必ず知っているはず。
ところが、該当の損保会社に問合せたところ、契約者でないと教えられないとのこと。契約者である父が亡くなって、私は法定相続人だと言ったところ、「現在の契約者がお父様ではないので開示できません」と。なるほど、H29年~H30年は、毎月5万5000円の保険料を払っている履歴があるが(おそらく父と後妻の2台分)、その後は急に2万円弱に下がっている。その時点で、車両に何かが発生し、契約者が後妻に変わってしまったのだろう。この損保会社だけなのか、他の損保会社も同じなのかは分からないが、H30年までは間違いなく父が契約者だったはずなので、その時点の情報は開示できないか聞いたが、現時点の契約情報を要件とするので、過去の情報も含めて開示が不能とのこと。
けっ、まったく使えない!!
それにしても、毎月5万5000円って、年間66万円だよね?
私も車両保険を含めて保険をかけているが、年間20万円ぐらいだったはず。
たとえ後妻の車と2台分であっても、ちょっと高すぎませんか?
よほど事故が多いのか、車両保険を高額かけているのか。
なんだか、保険会社を喜ばせるためにせっせと仕事をしているようです。
仕方ないので、後妻弁護士に「父の車と後妻の車の両方」の情報開示を要求してありました。
7月13日に届いた書類一式の中に、後妻の車の車検証コピーがあったので、さっそく陸運局へ情報入手に行きました。
結果、
H30年2月27日 新規登録:所有者 販売代理店名義
H30年5月18日 移転登録:所有者 ローン会社、使用者 父名義
R5年3月20日 移転登録:所有者 後妻名義
なるほど。
後妻弁護士から、R4年末に父から後妻へ名義変更したと聞いていたので、ほぼ納得。時期がずれているのは、おそらくローン残債を返済し終ってから陸運局へ変更登録したのだろう。
そこでまたひとつ、疑問というか、グル税理士のインチキを発見。
父から後妻へ車の名義変更…それは、譲渡ですね。
まず、薬局の決算書では、R5年度以降もこの車が償却資産に計上されたままで、減価償却費も毎年計上されている。
違いませんか?
資産を譲渡したので、償却処理をしなければいけないはず。
後妻弁護士によると、譲渡時の中古車市場価格が125万円ぐらいらしい。
金銭授受が発生していないだろうから、R4年末の時点で、次の仕訳が必要なはず。
(借) 事業主貸(※1) 125万円/ (貸) 車両(購入時の金額) 200万円
(借) 現預金 18000円/ (貸) リサイクル預託金 18000円
(借) 減価償却累計額 175万円/ (貸) 固定資産譲渡益 100万円
※1:第三者へ売却した場合は現預金が増えるが、後妻(身内)へ譲渡で金銭授受が発生していないので、現預金の代わりに事業主貸(薬局が事業主へ貸したお金)となる。
この仕訳により、薬局の資産「車両」はなくなり、所得税対象の譲渡益が発生し、またまた元入金のマイナス要因である「事業主貸」が増える。
一方、後妻側は、無償で125万円の車を受けとったので、父から贈与されたことになり、贈与税の申告が必要なはず。
このどちらの処理もされていないため、後妻名義の車が最後まで資産に計上され、計上してはいけない減価償却費がR5年・R6年とも経費計上されていました。
また、名義変更した以上、自動車税、車検代など車本体にかかる費用は後妻の経費であり、薬局経費に計上できないはず。
税理士が間違えるはずがないと思っていたら、どうやら私の認識は法人(株式会社など)の場合であって、個人事業では「生計を一にする配偶者や親族」名義の場合は経費計上できるらしいのです。
これは知らなかった…というか、やっぱり個人事業って、テキトーだわ!
しかし、父から後妻へ贈与されたのは間違いないし、しかも死亡から遡って3年以内の贈与なので、この車の評価額相当の金額は持ち戻しで相続財産に含まれなければいけません。(第1話の特別受益・持ち戻しを参照)
※ ちなみに、贈与について、以前は相続財産に持ち戻しされる生前贈与は死亡から遡って3年まででしたが、今年(2024年1月1日)からは7年に拡大されました。
次のサイトをご参照ください。
相続前7年以内の生前贈与は遡って持ち戻し加算!2024年改正で3年から7年へ | 円満相続税理士法人 相続税申告専門の税理士法人
まったくいい加減な処理ばかりで、呆れます。
これはまだ可愛いものです。
しょせん、後妻の車、評価額も125万円。
実は、もっと驚きの事実が発覚したのです!!
後妻弁護士が送ってきた書類一式の中に、父の車(決算書の償却資産情報では約800万円)を売却したと思われる領収書や書類が出てきました。
売却なので、代金を受領しているものと思っていたら、なぜかディーラーに支払っている。意味がよく分からないので、ディーラーに問合せ。
すると、かなり前の取引(H30年10月)なので、調査して折り返しますと。
それからしばらく連絡がなく、面倒くさくてスルーしているのかと思っていたら、2週間ぐらい経ってようやく連絡がきた。
「顧問弁護士と相談した結果、詳しくは、相続人本人確認をしてからお話しします」と。
え?顧問弁護士?なんだか大げさじゃない??
ちょうど父の不動産の調査に帰省予定だったので、このディーラーも直接訪問。
すると…
冒頭、いきなり「大変申し訳ございません」と謝られた、
何があった???
「あの領収書は、担当営業が勝手に発行したものらしく、会社をまったく通していないことが判明しました」
なにー!!??
ということは、担当営業が会社を通さず、勝手に個人で父の車を売買していたのか?
それ、利益相反、業務上横領、詐欺でしょう??
そりゃ、父からすれば、ディーラーを通そうが、通すまいが、良い値段で売れればそれで良かったのでしょうが。(買い替えならそんな胡散臭い取引も無かっただろうに、この車を最後に、父は車を所有しなかったところを付け込まれました)
ディーラーは「お詫びとして、通常は開示対象期間をすぎた車両ですが、リクエストされていた車台番号をお教えします」と。
まあ、車のナンバーはローン会社から聞いていたので、車台番号さえ分かれば陸運局で調べられるし、私はそれで十分なんだけど。
モラルの無い営業マンの後始末とか、ディーラーも大変ですね💦
で、帰宅後、さっそく陸運局で情報入手。
H27年8月28日 新規登録:所有者 ローン会社、使用者 父名義
H30年11月1日 移転登録:所有者 (別の)ローン会社、使用者 ○○○○
なるほど。
父がディーラーに残債差額を支払った領収書日付は10月12日。
移転登録が11月1日。
その間、詐欺営業マンは、ローン残債を整理し、次の所有者のローンを手配し、わずか2週間で車の名義を移転している。最初から、購入希望者ありきで動いた結果、みえみえです。
この父の次の所有者(使用者)が、後妻やグル税理士に関係する人物かどうかは不明ですが、ネットでググったら、地域の青年部のお偉いさんみたいなので、税理士から口利きされた可能性は非常に高い。きっと税理士、後妻、詐欺営業マンの手元に、売価代金の一部が流れているのでしょう。
そしてこの手続きのスムーズさから、きっとこの営業マンは、過去にも何度も同様に会社を通さない詐欺行為を重ねていたのでしょう。
これについては、私が関知することではないので、被害にあったディーラーが詐欺で訴えて厳正なる処分をすることを期待します。
ほんと、この相続に関しては、次から次へと胡散臭いことが発覚する。
胡散臭い人間(=後妻)のもとには、同類の人間ばかりが寄ってくるのか?
こんなの序の口。
まだまだ発生します。
今後の展開を乞うご期待!
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- 令和4年9月ごろ:後妻が父名義の不動産を売却しようとして、司法書士に成年後見人申立の依頼
- 令和5年11月末:後妻が父の成年後見人に承認され、直後に父名義の不動産を売りに出していた
- 令和6年3月13日:父の死亡日(享年82歳)
- 令和6年4月30日:父の死亡を知った日
- 令和6年5月1日:弁護士予約
- 令和6年5月2日~6日:相続の本5冊入手・読破
- 令和6年5月8日~20日:弁護士面談4件
- 令和6年5月8日:後妻司法書士から銀行口座・融資・会計事務所情報入手
- 令和6年5月9日:顧問税理士に会計書類開示を拒否される
- 令和6年5月8日~6月13日:融資契約書のコピー請求・入手
- 令和6年5月8日~7月8日:各金融機関へ口座有無確認、銀行取引明細書・(残高証明書)の入手手続き
- 令和6年5月20日:知人の不動産会社に父名義の不動産の査定を依頼したところ、既に売りに出されていたことが発覚
- 令和6年5月23日:後妻の弁護士から最初の通知
- 令和6年5月23日~7月1日:銀行取引明細書の入手・転記作業
- 同上期間:転記により浮上した疑問解決のため、生損保、電気、クレジットカード、リースなど、取引の該当する会社へ問合せ&確認作業
- 令和6年5月31日:法務局で土地・建物登記簿謄本を入手
- 令和6年5月31日~6月18日:法務局で相続一覧図申請・入手
- 令和6年6月3日~7月18日:病院・介護施設へカルテ開示請求・入手
- 令和6年6月4日:公証役場で遺言書の有無確認
- 令和6年6月11日~6月18日:法務局で自筆遺言書の有無確認の予約・結果入手
- 令和6年6月6日~8月17日:生損保の契約内容入手、クレジットカード利用履歴明細入手
- 令和6年6月13日~:融資の銀行1社と情報交換、返済の交渉
- 令和6年6月19日~7月19日:信用情報開示(JICC、CIC、全銀協)と生命保険契約有無の開示請求と結果入手
- 令和6年6月28日~7月8日:管轄税務署へ情報提供、資料送付
- 令和6年7月3日:管理薬剤師届出状況を保健所に確認
- 令和6年7月12日:顧問税理士へ準確定申告の問合せ (電話を切られた)
- 令和6年7月13日:後妻弁護士から財産目録と決算書・申告書など資料届く
- 令和6年7月13日~7月24日:決算書・申告書の内容をチェック
- 令和6年8月9日:父の自宅不動産の内部に立ち入り調査
- 令和6年8月10日:父が所有していた外車ディーラー訪問、車台番号を入手
- 令和6年9月10日:市役所から介護保険要介護状態区分証明書を入手
- 令和6年9月18日~20日:薬の卸3社、派遣薬剤師の出向元会社に違法営業の認識有無を確認
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【状況証拠・ツッコミどころ 一覧】
- 4月30日 後妻が用意した相続財産は、不動産と借金がほぼ同額で、現金ゼロ・預貯金5万円。あまりに出来すぎた数字で、怪しさ満点!
- 5月9日 顧問税理士が会計書類の開示を拒否、見せられない理由は!?
- 5月31日 後妻は認知症の父の成年後見人になり、自分が使い込んだ銀行融資の返済のため、父名義の不動産を売却しようとしていたことが発覚。しかし、売れる前に父が死亡し、後妻の計画の最初の誤算。
- 6月2日・6月13日 認知症(要介護2)の父を相手に、銀行が融資契約をしていたことに驚き!入手した契約書の、無理やり書かされたであろう父の変わり果てた筆跡を見て涙が出た。
- 6月6日 令和2年6月に融資返済の減免をしてもらいながら、同年12月に後妻受取人の生命保険を新規加入していた。
- 6月17日 銀行取引明細の国保料引落し額から後妻の年収を逆算、専従者給与が毎年600万円も払われていた!
- 6月28日 取引明細書から推測したキャッシュフローにより、1億2000万円のキャシュが消えている理論値が算出された!
- 7月1日 取引明細書の転記完了、頻繁な入出金に、後妻はATMに住んでいたのか?
- 7月1日 同じく、すべての転記が終り、現金売上がどの口座にも入金されていないことが判明!着服か?
- 7月3日 令和4年8月から、父が認知症で入院・介護施設入居により薬局に復帰していないが、管理薬剤師の変更届は出されておらず、2年間も違法営業を続けていたことが発覚!
- 7月11日 調査した銀行口座が出そろい、当初、後妻司法書士から聞いていた3行・4口座どころか、8行・19口座が判明!
- 7月12日 顧問税理士へ準確定申告の問合せをするも、一方的に電話を切られた。これで完璧にグル決定!!
- 7月13日 後妻弁護士が開示した資料から、後妻が各種債権を自分の口座に振り込ませていたこと、父死亡後に勝手に種々の費用を使っていたこと、仏壇仏具まで処分していたことが判明!パート事務員の実在性、勤務実態に大きな疑問浮上、費用の架空計上の恐れあり!!
また、後妻が使用していた車を父から後妻へ名義変更しているが、贈与の申告はしていないと思われる。死亡から遡って3年以内の取引なので相続財産に計上すべきところ、弁護士が提示した財産目録には未計上。こちらから言わなければ、とぼけるつもりだったのか? - 7月23日 決算書のバランスシートから、元入金がずっと多額のマイナスだったことを発見。後妻は薬局に入ったお金(事業用の借入金)を持ち去っていたと思われる!
- 8月9日 父の自宅不動産の中がぐちゃぐちゃ、既に父のモノ大半が処分されていた!
- 8月10日 父の車両売却時に詐欺が発生していた!担当営業マンがディーラーの領収書を勝手に使用し、ディーラーを通さず個人取引をしていた。後妻・グル税理士も関与か?
- 8月17日 クレジットカードの利用履歴により、融資返済減免の変更契約以降も、父が認知症で身動きできなくなってからも、後妻が家族カードで贅沢三昧していたことが判明!
- 9月20日 薬の卸会社への支払い遅延が続いていたことから、父の薬局は「ブラック薬局リスト」に挙げられていた!
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【後妻の手口 一覧】
- 被相続人(父)の生前に成年後見人となり、意のままに財産を処分。
- 経理の立場を利用し、お金の管理を他人にさせず、現金を自由に持ち出す。
- 高額な専従者給与を払わせ、正当な理由として資金移動。
- 生活費はすべて父に出させ、自分はいっさいお金を使わない。
- 高齢者でも加入できる生命保険に入らせ、保険料支払は父、保険金受取人は自分に指定し、多額の保険金を受領。
- 融資一括返済を免れるため、違法営業を続け、周囲をだまし続けた。
- 事業用に借りた融資の現金を持ち去って返金しない。
続く