相続:後妻はこうして父の財産を喰い尽くした

後妻 vs. 前妻の子ども 実践編

第19話:税務署と家庭裁判所

事業(薬局)で得た利益は、自分たち(父と後妻)が好きにすればよい。
その代わり、事業で発生した負債(借金)も、自分たちで返済しろ。
借金だけこちらに押し付けようとするな。
祖父の代からの家にまで手を付けるな!

父の死と借金の事実を知った直後の私の直感的な主張は、この後もずっと続きます。
(補足:後妻は父の薬局の専従者だった)

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前回から少し時間が空いてしまいました。
私もこれに関わってばかりいるほどヒマではないので😅
記事は8月の話ですが、実際にはもう師走12月。
山登りやハイキング、旅行が好きな私に、ちょうど良い絶好の季節なので、あちこち歩き回って楽しく過ごしておりました!

 

さて、前々回は父の不動産の話前回は父の車売却時の話、いずれも8月お盆時期に慌ただしく動き回っていました。
田舎のお盆の弊害は、民間企業が盆休に入ってしまうこと。
後妻の弁護士まで、「土日対応しない、8月16日まで盆休で対応不可」とぬかしやがる。やる気がないのか、嫌がらせなのか。仕方ないので8月9日(金)に駆け込みで不動産を見に行き、翌10日は車のディーラー訪問(こちらも11日から盆休と言われていた)。
こうなると、営業しているのはカレンダー通りの役所しかありません。
海の日とか山の日とか、無駄に祝日を増やされたため、8月12日(月)も祝日で、役所は13日から。お盆真っ只中でホテルは高いし満室だし、後妻のせいで、本当に無駄な費用が飛んでいきました。

ただ、せっかくできた空白の時間なので、地元の友人知人にたくさん会ってきたけどね。こんな機会でもないと、なかなか会えないし。
人生に無駄なことはない
彫刻家のロダンの言葉であり、ホンダ創業者・本田宗一郎の言葉でもあるようですが、まったくその通り!
いち側面では無駄に思えることも、他の見方で有益に活用すればよいだけのこと。
だからこそ、この相続トラブルも、関わる時間が無駄と思わず、前向きに進めているのです👍

 

3連休明け、13日は税務署へ、14日は家庭裁判所へ参上。
何しに行ったかを今から説明します。

 

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まず税務署
ここでは、父の税務申告書類の閲覧をしました。
申告書類は過去7年分まで、各種届出書は開業当初から全てが保管されており、税務署に申請すれば閲覧・撮影が可能。(過去の書類を引っ張り出してくるので、事前に連絡・予約したほうが良い)
ただし、法定相続人全員の委任状と印鑑証明書が必要なため、事前に後妻弁護士に後妻分の書類入手を依頼、それを8月9日の不動産内見時に受領しました。
問題は早々に相続放棄した長男。昔から父とは犬猿の仲で、とにかくこの件には関わりたくないと、委任状などの依頼も完全に無視。仕方ないので税務署に相談したら、「裁判所発行の相続放棄証明書で代用できる」とのことで、家庭裁判所に依頼して8月9日に手続き、証明書を入手。
1分1秒を争う(ちょっと大袈裟、笑)段取りで、物事を進めていきます💦

(税務署類の閲覧申請書は次のリンクをご参照!)

https://www.nta.go.jp/law/jimu-unei/sonota/050301/pdf/02.pdf

 

8月9日に父の家において、後妻弁護士から過去の会計書類をある程度入手しており、弁護士は「これで十分ではないのか?」と、後妻の委任状などの提出を渋っていましたが、後妻が嘘つきで重要なものを隠蔽することは承知していたので、「他にも税務署で確認したいものがあるから」と強引に委任状などを受け取っておいて正解です。

税務申告書(所得税の確定申告・青色決算書)は、9日に入手した書類と同じなので、あまり問題はなし。消費税は免税事業者だったようで消費税申告書はなし。
追加として、開業届、廃業届、専従者給与届出書・変更届を閲覧・撮影。(撮影は、税務署の担当者立ち合いのもとで)

そこで発見したのが、後妻の専従者給与の変遷。
開業当初(平成11年5月)は、殊勝に月額8万円(年額96万円)からスタートしているものの、2年後の平成13年にはいきなり年額400万円、5年後の平成16年には600万円に変更
実はこれ、重要な情報になりました!
私が目を付けていた「元入金のマイナス」の原因が、過去の損失の蓄積なのか、薬局のお金を持ち出していたからなのかの判断指標になるのです。(第16話)
開業から2年で専従者給与を大幅に引き上げ、その後さらに増額したということは、薬局事業は順調で、損失の蓄積はなかったという証拠になります。
だから、後妻弁護士は「現金を横領した証拠を出せ!」といきり立っていましたが、元入金マイナスが損失の蓄積でなく、薬局からお金を持ち出したことが原因との証拠が出てきました。

これについても、後妻弁護士には「専従者給与の届出・変更届のすべてを開示」するよう依頼していたのに、開示してきたのは平成16年の最後の変更届だけで、その前の届出書は隠されていた。後妻と税理士が意図的に隠していたとしか思えない事実です。

やっぱり税務署で閲覧をして良かった!
ついでに、情報提供(タレコミ)の担当者さんにも挨拶して、情報交換や税務署のスタンスを教えてもらったりと、有意義な時間となりました!

 

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次に家庭裁判所

第7話で書いたように、後妻は令和5年11月末から父の「成年後見」になっていました。成年後見人は家庭裁判所が承認するもので、その活動について初回報告、定期報告(年1回)、死亡時の報告といった活動報告の提出が必要です。
その報告書には、財産目録(現預金、有価証券、不動産、保険契約、負債など)の開示が必要で、私はそれを確認したかったのです。
(詳しくは、下記の裁判所のウェブページを参照)

後見人等に選任された方へ | 裁判所

 

後見人の報告書閲覧には、私が法定相続人であることを証明する書類と閲覧申請書を家庭裁判所に提出すれば見せてもらえます。閲覧申請書はネットに掲載されておらず、郵送してもらうか現地で記入するかなので、家庭裁判所には事前に連絡をしておき、8月9日(金)に現地で申請し、14日(水)に閲覧しました。段取り良く動くことが重要!

閲覧は、税務署と同様、見るだけではなく、謄写(コピー印刷)または写真撮影が可能
コピーは1枚けっこう高いので、スマホで撮影を選択。
撮影時は裁判所の担当者が同席します。

せっかくのチャンスだし、何が必要になるか分からないので、とにかく全てを撮影。とても時間がかかり、担当者には申し訳なかったけど、あとで「見落とした!」とならないよう、入念な作業です。

父は、後妻が後見人になってすぐに死亡したので、報告書は、初回と最終(死亡時)の2回だけ。

後見人報告書を撮影しながら、不審な点をいくつか発見。
・まず、初回報告書には、預金(銀行口座)が4つしか掲載されていない実際は19もあり、休眠口座を除いても、後妻が日頃から運用していた口座が他にも5~7つはあったが、まったく記載がなかった。(→裁判所に対して隠していた)
・次に、最終報告書では初回から最終までのお金の動きを報告しなければならず、預金口座のコピーは添付されていたものの、現金の動きがまったく掲載されていない
ここが重要!なぜなら、後妻は薬局の現金収入を全て自分で持ち出していたからです。
その報告がないということは、後妻は裁判所に対してまで嘘をついていたのです。
その点を裁判所の担当者に指摘。担当者はハッとした顔になりました。
現金収入がありますが、まったく記載されていないので、後妻に追及してください
・そして、8月9日に後妻弁護士は後妻が受け取った「死亡保険金」500万円の通帳コピーしか開示しなかったのに、報告書の保険契約欄を見ると、「死亡保険金」は1000万円と記載されている。弁護士が嘘をついたのか、後妻が弁護士に嘘をついたのかこういうこと(嘘)もあるから、私は弁護士に「保険契約書または保険金支払い計算書を開示してくれ」と言ったのに、通帳コピーしか出してこないあたり、やはり信用ならない後妻軍団なのです。

 

ちなみに、成年後見人は後見人活動の報酬を裁判所に申請して被後見人(=父)の財産から受け取ることができるらしいが(後妻弁護士が「後見人報酬も相続財産の負債に追加」と自信満々で言ってきた)、こんな杜撰で嘘八百の活動しかしていないのに、報酬までもらおうとするなんて、図々しいにもほどがある裁判所も後妻にコケにされたので、そこはしっかり否認してほしいものです。

 

ここに至るまでの調査で、ある程度の財産とお金の流れは把握していたので、税務申告書類や後見人報告書の閲覧は、独自調査で不明瞭だった部分の補足・確認作業です。そして、またしても重要な事実を追加入手できたので、やはり出来ることは何でもしておくに限ります

 

次回は、いよいよ入手した書類から、薬局運営実態、特にお金の流れについての調査に移ります。
面白い事実がたくさん出てくるので、ぜひお楽しみに!!

 

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  • 令和4年9月ごろ:後妻が父名義の不動産を売却しようとして、司法書士成年後見人申立の依頼
  • 令和5年11月末:後妻が父の成年後見人に承認され、直後に父名義の不動産を売りに出していた
  • 令和6年3月13日:父の死亡日(享年82歳)
  • 令和6年4月30日:父の死亡を知った日
  • 令和6年5月1日:弁護士予約
  • 令和6年5月2日~6日:相続の本5冊入手・読破
  • 令和6年5月8日~20日:弁護士面談4件
  • 令和6年5月8日:後妻司法書士から銀行口座・融資・会計事務所情報入手
  • 令和6年5月9日:顧問税理士に会計書類開示を拒否される
  • 令和6年5月8日~6月13日:融資契約書のコピー請求・入手
  • 令和6年5月8日~7月8日:各金融機関へ口座有無確認、銀行取引明細書・(残高証明書)の入手手続き
  • 令和6年5月20日:知人の不動産会社に父名義の不動産の査定を依頼したところ、既に売りに出されていたことが発覚
  • 令和6年5月23日:後妻の弁護士から最初の通知
  • 令和6年5月23日~7月1日:銀行取引明細書の入手・転記作業
  • 同上期間:転記により浮上した疑問解決のため、生損保、電気、クレジットカード、リースなど、取引の該当する会社へ問合せ&確認作業
  • 令和6年5月31日:法務局で土地・建物登記簿謄本を入手
  • 令和6年5月31日~6月18日:法務局で相続一覧図申請・入手
  • 令和6年6月3日~7月18日:病院・介護施設へカルテ開示請求・入手
  • 令和6年6月4日:公証役場で遺言書の有無確認
  • 令和6年6月11日~6月18日:法務局で自筆遺言書の有無確認の予約・結果入手
  • 令和6年6月6日~8月17日:生損保の契約内容入手、クレジットカード利用履歴明細入手
  • 令和6年6月13日~:融資の銀行1社と情報交換、返済の交渉
  • 令和6年6月19日~7月19日:信用情報開示(JICC、CIC全銀協)と生命保険契約有無の開示請求と結果入手
  • 令和6年6月28日~7月8日:管轄税務署へ情報提供、資料送付
  • 令和6年7月3日:管理薬剤師届出状況を保健所に確認
  • 令和6年7月12日:顧問税理士へ準確定申告の問合せ (電話を切られた)
  • 令和6年7月13日:後妻弁護士から財産目録と決算書・申告書など資料届く
  • 令和6年7月13日~7月24日:決算書・申告書の内容をチェック
  • 令和6年8月9日:父の自宅不動産の内部に立ち入り調査
  • 令和6年8月10日:父が所有していた外車ディーラー訪問、車台番号を入手
  • 令和6年8月13日:税務署で過去の税務署類を閲覧
  • 令和6年8月14日:家庭裁判所成年後見人の活動報告を閲覧
  • 令和6年9月10日:市役所から介護保険要介護状態区分証明書を入手
  • 令和6年9月18日~20日:薬の卸3社、派遣薬剤師の出向元会社に違法営業の認識有無を確認

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【状況証拠・ツッコミどころ 一覧】

  • 4月30日 後妻が用意した相続財産は、不動産と借金がほぼ同額で、現金ゼロ・預貯金5万円。あまりに出来すぎた数字で、怪しさ満点!
  • 5月9日 顧問税理士が会計書類の開示を拒否、見せられない理由は!?
  • 5月31日 後妻は認知症の父の成年後見人になり、自分が使い込んだ銀行融資の返済のため、父名義の不動産を売却しようとしていたことが発覚。しかし、売れる前に父が死亡し、後妻の計画の最初の誤算。
  • 6月2日・6月13日 認知症(要介護2)の父を相手に、銀行が融資契約をしていたことに驚き!入手した契約書の、無理やり書かされたであろう父の変わり果てた筆跡を見て涙が出た。
  • 6月6日 令和2年6月に融資返済の減免をしてもらいながら、同年12月に後妻受取人の生命保険を新規加入していた。
  • 6月17日 銀行取引明細の国保料引落し額から後妻の年収を逆算、専従者給与が毎年600万円も払われていた!
  • 6月28日 取引明細書から推測したキャッシュフローにより、1億2000万円のキャシュが消えている理論値が算出された!
  • 7月1日 取引明細書の転記完了、頻繁な入出金に、後妻はATMに住んでいたのか?
  • 7月1日 同じく、すべての転記が終り、現金売上がどの口座にも入金されていないことが判明!着服か?
  • 7月3日 令和4年8月から、父が認知症で入院・介護施設入居により薬局に復帰していないが、管理薬剤師の変更届は出されておらず、2年間も違法営業を続けていたことが発覚!
  • 7月11日 調査した銀行口座が出そろい、当初、後妻司法書士から聞いていた3行・4口座どころか、8行・19口座が判明!
  • 7月12日 顧問税理士へ準確定申告の問合せをするも、一方的に電話を切られた。これで完璧にグル決定!!
  • 7月13日 後妻弁護士が開示した資料から、後妻が各種債権を自分の口座に振り込ませていたこと、父死亡後に勝手に種々の費用を使っていたこと、仏壇仏具まで処分していたことが判明!パート事務員の実在性、勤務実態に大きな疑問浮上、費用の架空計上の恐れあり!!
    また、
    後妻が使用していた車を父から後妻へ名義変更しているが、贈与の申告はしていないと思われる。死亡から遡って3年以内の取引なので相続財産に計上すべきところ、弁護士が提示した財産目録には未計上。こちらから言わなければ、とぼけるつもりだったのか?
  • 7月23日 決算書のバランスシートから、元入金がずっと多額のマイナスだったことを発見。後妻は薬局に入ったお金(事業用の借入金)を持ち去っていたと思われる!
  • 8月9日 父の自宅不動産の中がぐちゃぐちゃ、既に父のモノ大半が処分されていた!
  • 8月10日 父の車両売却時に詐欺が発生していた!担当営業マンがディーラーの領収書を勝手に使用し、ディーラーを通さず個人取引をしていた。後妻・グル税理士も関与か?
  • 8月13日 専従者給与の変更届により、開業から2年で400万円、5年で600万円に引き上げていた!
  • 8月14日 成年後見人の活動報告では、初回報告では銀行口座を過少に申告、最終報告では現金の動きを報告せず裁判所に対してまで嘘をついていた!
  • 8月17日 クレジットカードの利用履歴により、融資返済減免の変更契約以降も、父が認知症で身動きできなくなってからも、後妻が家族カードで贅沢三昧していたことが判明!
  • 9月20日 薬の卸会社への支払い遅延が続いていたことから、父の薬局は「ブラック薬局リスト」に挙げられていた!

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【後妻の手口 一覧】

  • 被相続人(父)の生前に成年後見人となり、意のままに財産を処分。
  • 経理の立場を利用しお金の管理を他人にさせず、現金を自由に持ち出す。
  • 高額な専従者給与を払わせ、正当な理由として資金移動
  • 生活費はすべて父に出させ、自分はいっさいお金を使わない。
  • 高齢者でも加入できる生命保険に入らせ、保険料支払は父、保険金受取人は自分に指定し、多額の保険金を受領
  • 融資一括返済を免れるため、違法営業を続け、周囲をだまし続けた。
  • 事業用に借りた融資の現金を持ち去って返金しない

 

続く