事業(薬局)で得た利益は、自分たち(父と後妻)が好きにすればよい。
その代わり、事業で発生した負債(借金)も、自分たちで返済しろ。
借金だけこちらに押し付けようとするな。
祖父の代からの家にまで手を付けるな!
父の死と借金の事実を知った直後の私の直感的な主張は、この後もずっと続きます。
(補足:後妻は父の薬局の専従者だった)
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今日は、大量に取り寄せた銀行取引明細書の分析について書いてみます。
取引明細書の転記作業やその後に発生する会計書類のスキャン作業などは、多大な時間と時間と労力と集中力が必要です。
分析に没頭しすぎると、発見する事実に驚愕の連続で、何を目標としているのか忘れてしまいます。友人知人に逐一実況報告しているので、時々親切な友人が、「それで、どうしたいんだっけ?」と、本来の目的に引き戻してくれます😅
父は調剤薬局を経営していたので、銀行口座の出入りには次のような項目が出てくると想定しました。
- 売上(診療報酬):国民健康保険、社会保険、患者負担金(現金受取り)
- 仕入:薬の卸から
- パート従業員給与:薬剤師と事務員がいたと聞いている
- 後妻の専従者給与
- 労働保険料(現金支払いかも)
- 家賃:店舗はレンタルだったので
- 水道光熱費:電気、上下水道。ガスの使用有無は分からない
- 電話
- プロバイダ・Wi-Fi
- NHK
- 調剤関連器具リース料
- 車両関連:主にローン支払い
- 消耗品:文房具など(現金購入かも)
- 書籍:患者さん用の雑誌類(現金購入かも)
- 損害保険料:店舗、車両などを対象
- 接待交際費:相手は主にドクター(現金支払いかも)
- 諸会費:薬剤師会・商工会議所など
- 税理士報酬
- 融資返済・新規契約
- コロナ助成金(雑収入)
まあ、こんなところでしょうか。
私自身が会社経営をしているので、一般的な経費はだいたい予測がつきます。
最初の6か月ぐらいを転記すると、毎月発生するもの、何日払いか、など規則性が分かってきます。
まず、メインバンクの薬局名義口座から転記。
転記中に疑問に思ったことは、どんどんメモしておく。
そして、ひと通り転記が終ったら、内容が不明な引落先の会社に電話して詳細を教えてもらいました。
すんなり教えてくれるところもあれば、保険会社は銀行と同じく法定相続人の証明をしないと教えてくれません。来る日も来る日も転記と電話問合せ。地道な作業です。
ここで問合せた日時・会社・担当者名・話の内容も、きちんと一覧表に記録することを怠りません。
規則的な出入りは、
・国保と社保からの診療報酬の入金
・融資返済 (自動引落)
・リース料 (自動引落) 何のリースか不明→調剤器具、レセコン、看板など
・損保 (自動引落) 何の保険か不明→店舗の薬に対する保険、車両保険
・電話、携帯、プロバイダ、NHK (自動引落)
なぜか自宅電話代まで薬局から落ちている!→明細に電話番号が表示されていたので判明した
・電気、水道 (自動引落)
毎月電気代が2回引き落とされており、どうやらどちらか自宅の電気代だ!→電力会社に聞いて、どちらが店舗のものか確認
・車両ローン (自動引落)
・Nicos…え?クレジットカード?
クレジットカードの引落しは個人口座なんじゃないの?→どうやらENEOSカードなどガソリン代のようだと判明
次に、振込みの形跡=振込先の名称が表示されているもの
・薬の卸 (仕入)
だいたい月末近くが多いが、なぜか2万円、5万円、10万円などキレイな数字が多く、しかも振込手数料が振込額から引かれている (例:3万円なら660円の手数料を差し引いた29340円を振込) 相手に失礼じゃないか?そういう業界なのか??
・家賃
メインバンクに形跡がなく、後妻から知らされた他の口座にもなく、私が必死に探し当てた個人名義の口座から、それっぽい金額を毎月振込していた
・税理士報酬
毎月ではなく、毎年でもなく、2万円、3万円、5万円、10万円などと、振込金額がバラバラで、年額にすると少なすぎて、おかしい
・個人名への振込
ごくたまに振込形跡があるが、パート従業員の給与か?なぜ毎月ではない?
・コロナ助成金 薬局口座と個人口座に振り込まれていた
最後に、内容が不明な入出金。
メインバンクに国保・社保から診療報酬が振り込まれると、数日後に自動引落がある金額以外はほとんど出金され、他の銀行の薬局口座や個人名義口座へ、それぞれ自動引落しされる金額に合わせた額を入金している。
かなり頻繁に、毎日のように出し入れしている。
なにしろ、攪乱作戦のつもりなのか、薬局名義と個人名義として(休眠ではなく)実際に使われていた口座が10以上あるのですから、口座管理も大変だったでしょう(笑)
だから、ATMに住んでいたのか?(第5話)と思ってしまったのだ😅
ここまでやって分かったこと。
・規則性があるはずのものが、資金不足で引落し日がずれていることが多い
・仕入や税理士など、振込の仕方(金額)が不可解
そしていちばん大事なこと!
患者負担金(現金売上)が入金された形跡が、
どこにもない!
美容院でこの話を愚痴ったら、美容師さんが「それ、ドロボーですか!?」と素直な反応😅
そうなのよ、平たく言って「ドロボー」、専門的に言えば「着服」の可能性が非常に高い!
これ、薬局経営している友人から教えてもらっていたことなのです。
「現金で受け取る患者負担金(※)は、ピンハネしやすい」と!
※患者負担金とは、私たち一般人が健康保険証を見せて病院や薬局で払う3割とかの代金。人によって2割や1割の場合もあります。
ほらね、きたよ、きたよー!!
ピーク時だと国保と社保の入金合計が年間1億円くらいあったので、患者負担割合を平均2割としても、年間2000万円近いお金がどこかに消えていることになる!
どこか、というのは、言わずと知れた、後妻しかいないから!!
これは事件でしょ!!!
友人から指摘のあったとおりの展開で、笑っちゃいます。
父がお金に無頓着なのをいいことに、経理という立場を利用して、薬局のお金を持ち出して、意のままに動かしている。もっとずっと後で決算書・元帳・領収書を見て判明するのだが、お金を持ち出しただけだと「ドロボー」になるので、理由付けになるよう必死に経費を捻出していた。このずさんな現金管理を、まさか税理士は知らないはずはない。やっぱり税理士もグルだ!
この話は笑えるネタが満載なので、もっと後で、詳しく書こうと思います。
ひとつ言えることは、後妻にお金の管理を任せっきりにしていた父も悪い。
どこまで後妻を信用していたか知らないが、派手好き、見栄っ張りの普段の生活態度を見ていれば、この人にお金を見せたらダメだって分かるだろうに。
父の目はフシアナだったか?
どんなに専門職であっても、職人だったとしても、経営者ならお金の管理を自分でしなければダメだと思います。社長が経理を知らないようでは、決算書を読めないようでは、従業員や配偶者に、あっけなくお金を持って行かれるのがオチです。
その点で、父は薬のことはプロでも、経営者として失格だったのです。
そして相続トラブルという鬱陶しい事件を残してくれたのでした…
どうでしょう。
後妻相手の相続トラブルでは、すべての情報は後妻が握り、こちらは全く何も知らないところからスタートです。
ところが、銀行の取引明細書を読み解くだけで、全体の50%ぐらいは見えてきました。
数字は誤魔化せないだけでなく、行間や背景にある多くを語ってくれます。
だから税務署の調査では、まず銀行口座から押さえてくるのですよね!
あとは後妻側の銀行口座の動きが分かれば、80%は解決するでしょうが、残念ながら私の立場では後妻の口座を開示させることはできません。したがって、ここから先は、他の方法で、更なる情報を得るしかないのです。
それについては、追々。
で、冒頭の「本来の目的・目標」は、後妻がどのような手口で、いくらのお金を持ち出したのか、それが合法か違法かを追及し、証明することです。
キリがいいので、今日はここまでにします。
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- 令和4年9月ごろ:後妻が父名義の不動産を売却しようとして、司法書士に成年後見人申立の依頼
- 令和5年11月末:後妻が父の成年後見人に承認され、直後に父名義の不動産を売りに出していた
- 令和6年3月13日:父の死亡日(享年82歳)
- 令和6年4月30日:父の死亡を知った日
- 令和6年5月1日:弁護士予約
- 令和6年5月2日~6日:相続の本5冊入手・読破
- 令和6年5月8日~20日:弁護士面談4件
- 令和6年5月8日:後妻司法書士から銀行口座・融資・会計事務所情報入手
- 令和6年5月9日:顧問税理士に会計書類開示を拒否される
- 令和6年5月8日~6月13日:融資契約書のコピー請求・入手
- 令和6年5月8日~7月8日:各金融機関へ口座有無確認、銀行取引明細書・(残高証明書)の入手手続き
- 令和6年5月20日:知人の不動産会社に父名義の不動産の査定を依頼したところ、既に売りに出されていたことが発覚
- 令和6年5月23日~7月1日:銀行取引明細書の入手・転記作業
- 同上期間:転記により浮上した疑問解決のため、生損保、電気、クレジットカード、リースなど、取引の該当する会社へ問合せ&確認作業
- 令和6年5月31日:法務局で土地・建物登記簿謄本を入手
- 令和6年5月31日~6月18日:法務局で相続一覧図申請・入手
- 令和6年6月4日:公証役場で遺言書の有無確認
- 令和6年6月11日~6月18日:法務局で自筆遺言書の有無確認の予約・結果入手
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【状況証拠・ツッコミどころ 一覧】
- 4月30日 後妻が用意した相続財産は、不動産と借金がほぼ同額で、現金ゼロ・預貯金5万円。あまりに出来すぎた数字で、怪しさ満点!
- 5月9日 顧問税理士が会計書類の開示を拒否、見せられない理由は!?
- 5月31日 後妻は認知症の父の成年後見人になり、自分が使い込んだ銀行融資の返済のため、父名義の不動産を売却しようとしていたことが発覚。しかし、売れる前に父が死亡し、後妻の計画の最初の誤算。
- 6月2日・6月13日 認知症(要介護2)の父を相手に、銀行が融資契約をしていたことに驚き!入手した契約書の、無理やり書かされたであろう父の変わり果てた筆跡を見て涙が出た。
- 7月1日 取引明細書の転記完了、頻繁な入出金に、後妻はATMに住んでいたのか?
- 7月1日 同じく、すべての転記が終り、現金売上がどの口座にも入金されていないことが判明!着服か?
- 7月11日 調査した銀行口座が出そろい、当初、後妻司法書士から聞いていた3行・4口座どころか、8行・19口座が判明!
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【後妻の手口 一覧】
続く